ペーパーバックで英語力アップ

まったく英語力”ゼロ”でバンクーバーに語学留学したとします。
「HelloとかHow are you?とか学校で習った挨拶くらいはできるし、どんな仕事をしているかくらいの簡単な自己紹介はできるけど、”その仕事はどんなクライアントを相手にしているの?”と突っ込まれるとさっぱり単語が出てこない」くらいのレベルですね。

そんな状態で英語圏の国に行くと、3ヶ月くらいで少し英語の音に慣れてきたかなと感じるそうです。 6ヶ月くらいすると、ネイティブの人が言っていることがなんとなくわかってきて、それに対して無意識に英語で答えられるようになってくるそうです。
1年くらいたつと英語で生活するということにも慣れ、英語が完璧に話せないことへの開き直りというか度胸みたいなものがついてきます。 大の大人が、小学生みたいなレベルの自己表現しかできないことはものすごいストレスと恐怖なわけです。
日本語ではきちんと自分を表現できる人も、英語になると途端に口ごもってしまうのはやっぱり間違いを指摘されるのが怖いからだと思います。 英語ネイティブに馬鹿にされても、しょせん自分は英語ネイティブではないし、じゃあお前ら日本語を俺と同じくらい上手に話してみろ!みたいなひらきなおりができるようになるわけですね。

つまり普通に英語圏に暮らして、普通に語学学校にいくという程度では1年経ってやっと英語が怖くなくなる、という程度にしか上達できません。
大抵の人はバンクーバー滞在が3ヶ月、6ヶ月と経っても思ったほど英語が伸びていないことに焦ったり、怖くなったりするといいます。
管理人もそうでした。
そんなときに、少しでも英語を伸ばしたいと読み始めたのが英語のペーパーバックでした。
[特集 Mar 24.2006]

なぜペーパーバック?どんなペーパーバックを選べばいい?ペーパーバックの読み方TOEIC・英会話力との関係
管理人おすすめのペーパーバックはこちら

なぜペーパーバック?

a time to kill, 評決のとき なぜペーパーバックがいいかというと、
  • 安い
  • 手軽
  • 超効果的に英語が伸びる
  • から。

    なぜ超効果的に英語が伸びるのかというと、文字として認識できない単語や英語表現はいくら聞いたところで意味も分からないからだと思います。
    管理人はフレンチのヒップホップやラップが好きでかれこれ7,8年聞いていますが、いまだに何のことを歌っているのか、見当すらも付きません。歌詞カードを見たことがないからです。英語もフランス語と同じで、音と文字が一致しない言語なので、特にその傾向が強いと思います。単語を聞いてもスペルアウトできない、という経験はいやというほどしました。

    英語圏に暮らしていれば、英語を聞くという場面はたくさんあります。
    例えばいつも行くお店で、学校で友達と、テレビで・・・。そこで耳にした言葉と書き言葉を一致させることはとても大事です。
    ジョン グリシャムなんかを読んでいるとindictという単語がよく出てきますが、これ発音は「インダイト」です。最初に目にしたときには「インディクト」だとずっと思っていました。それからdissectは「ディスセクト」ではなく「ダイセクト」です。英語はこんなののオンパレードなので、とにかく読んで、たくさんの単語、文字を目に焼き付けることです。

    つまりペーパーバックを読む(英語を読む)ということは、留学生活中に触れる英語を頭の中に定着させる訓練なのだと思います。

    ただ問題がひとつ。 活字嫌いな人は無理です。日本語で字を読むのが嫌いな人には使えない勉強法だと思います。

    どんなペーパーバックを選べばいい?

    最初の一冊を選ぶにあたってどんな基準があるでしょうか?

  • 厚いか薄いか
  • ベストセラーかベストセラーでないか
  • 安いか高いか
  • 原作を翻訳で読んだことがあるかないか
  • 映画化されたものを見たことがあるかないか


  • 薄ければ読みやすい、厚ければ挫折しやすいというのは、管理人個人的には嘘だと思います。仕事柄毎日英語のメールや書類を読みますが、面白くなければA4一枚の資料を読むのも苦痛ですし、面白い小説ならば800ページでも何日かで読みきってしまいます。これは日本語でも同じことですよね。

    ベストセラーかベストセラーでないかという基準。
    「よく売れる→いろんな人種・職業の人が読む→英語が平易なはず→内容も俗っぽくて面白いはず」
    という理論です。
    アメリカではベストセラーになると桁違いに売れます。何百万人が読みます。
    英語圏はアメリカに限らないので、さらにその数は膨れ上がります。
    様々な国の、様々な職業の、様々な年齢の人が読むので、自然と英語も万人に分かりやすい、シンプルなものになるといわれています。
    当然、非英語圏の人にも読みやすいわけですね。

    安いか高いかという基準。これペーパーバックの利点の一つだと思いますが、ペーパーバックの場合はほとんど10ドル前後といったところ。どれを読んでも値段的には大差ないです。厚い方がお得です。

    翻訳を読んだか読んでないかは大きいかもしれませんね。特にはじめてのペーパーバックだったら、翻訳を読んだことがあるものを選ぶのもいいかもしれません。頭の中に情景が浮かびやすいですから。
    映画化されているかどうかも同じです。

  • 一冊読んで面白かったら同じ作家の本を続けてみる
  • 自分の好きなジャンルを読む

  • 管理人はそんな基準で選んでます。結局は面白いか面白くないかですよ。一日のうちに本を読むのに使える時間は限られています。つまらないペーパーバックを読んでストレスを溜め込むくらいなら、さっさとあきらめて、面白い本を探すほうがいいと思います。

    ペーパーバックの読み方

    管理人の読み方は二つあります。

  • 辞書とかメモを用意してじっくり読む
  • 知らない単語無視して、じゃんじゃん読み飛ばす


  • ペーパーバックを読み始めたころは一番目の読み方をしていました。こんな風に読んでいきます。
    まず好きなペーパーバックを買ってきます。
    それからノートと辞書とボールペンと紙を一枚用意します。
    紙は折って、しおり代わりに使います。
    ペーパーバックを読んで、分からない単語があったらペンで丸を付けるなりアンダーラインを引くなりして、余白に意味を書き込みます。同時にノートにその単語が含まれる文章を書き写します。単語単体で覚えるのは難しいし、覚えられても実際の場面でなかなか使えるようにならないからです。
    はじめのうちはペーパーバックを読んでいるのか辞書を読んでいるのか分からなくなります。
    でも読んでいるうちに、(たった1冊の本の中でさえ!)分からない単語の書き込みが減っているのに気付きます。
    わからない英単語が出てくるたびに書いたり調べたりするのは相当面倒くさいので重要な単語とそうでない単語の区別が勝手に付くようになってくるのです。
    また、調べなくても文脈で分かるようにもなります。
    もうひとつの恩恵は、文脈で覚えるので、単語の微妙なニュアンスの違いが分かるようになるということです。
    50冊も読めば、頭の中にかなりの単語と英語表現のデータベースが出来上がっています。

    しおり代わりの紙はこんな風に使います。
    ニンゲンと思しきものが出てきたら、下の例のように番号を振ってA4の紙に書いていきます。
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    @Lucas Davenport
    ミネアポリスの刑事
    ポルシェに乗ってる。
    52ページで、バーの女の子にちょっかい出してる
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    AThe Iceman
    犯人?58ページの学校のシーンで登場
    父親に小さいころいじめられた
    @と敵対関係
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    みたいな感じで、重要でも重要でなくてもいいから名前とその人物についての簡単なメモを書いておきます。
    ただでさえ英語でこんがらがるので、登場人物を別に整理しておくと英語の理解に集中できます。
    私たち日本人は「マツモトキヨシ」がドラッグストアの名前だと知っていますが、外国人にとったら「何者?」ということになりかねません。逆もまたしかりです。

    日本に戻ってからはほとんど二番目の「知らない単語無視して、じゃんじゃん読み飛ばす」読み方です。
    その単語を調べないと前後の意味が通じない場合と、その単語の意味がどうしても知りたい気持ちにさせられてしまう「一期一会な単語」以外は飛ばします。
    一日何ページという目標はありませんが、章立てで切ります。話がつながりやすいので。
    これはたぶんに今の生活のなかで読書に当てられる時間が、電車のなかの通勤時間と風呂の中のみということに起因しています。ずっと電子辞書を開いたままにして一字一句調べるというのが難しい場所で読書を強いられているからです。

    TOEIC・英会話力との関係

    こうして出来上がった「脳内英語データベース」のすごいところは、いつでもアクセス可能ということです。
    ネイティブのように、とまではいきませんが、結構自由自在に単語を引っ張ってきて会話を成り立たせることができます。
    英語特有の表現をするための回路も出来上がるようです。
    以下の文はあるペーパーバックからの引用です。
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    "...I'll drop the hammer on you, priest. This is a .44 Magnum, and they'd find your brains in the next block."
    (訳)「神父さんよ、引き金を引くぜ。こいつは44マグナムだ。こいつが火を噴けば、お前さんの脳みそは隣町まで吹っ飛ぶことになるぜ」
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    They'd find のthey は日本語ではわざわざ書きませんが、英語ではこういう不特定の誰かを指すときにはtheyをつかうんだな、とか、
    となりの町(block)で脳みそを発見する、とはまたオーバーな、と思う表現も英語ならこう言うんだな、とか、
    そんな英語回路が育ってくるわけですね。

    便宜上、ここでは訳を付けましたが実際に読んでいるときは訳はほとんど浮かばず、英語を前から理解していくようになります。前から理解して前から文を作っていくという力は英会話でも英作文でも読むのでも聞くのでもすべてにつながる大事なことです。

    だから当然、英会話力の上達にも非常に役立ってきます。
    短期決戦のTOEICでも効果は抜群です。読むのが早くなると、TOEICではかなり有利です。